2020年12月の絵本
「あかずきんちゃん」 作・絵:いもとようこ・ 原作:グリム童話
「ヘンゼルとグレーテル」 作・絵:いもとようこ・原作:グリム童話
「青い鳥」 作・絵:いもとようこ・原作:モーリス・メーテルリンク
「しあわせの王子」 作・絵:いもとようこ・原作:オスカー・ワイルド
絵本の紹介
「しあわせな王子」
原題、The Happy Prince 日本語訳の『しあわせな王子』そのままです。
原作者はオスカー・ワイルド。
オスカー・ワイルドはとても個性的な作家で、童話を作ったのだと不思議だったが、この童話が楽しい子ども心をくすぐるような、童話らしい童話ではなく、オスカー・ワイルドの生涯を映すかのようなお話だなと、オスカー・ワイルドのことをちらっと知っている人は思うことでしょう。
作者のいもとようこさんは、カバーにこんなことを書いています。
イギリスの作家、オスカー・ワイルドの名作。
ざんこくで、かなしくて、やさしいこのお話。
だれもが胸をいためることでしょう。
と。いもとようこさんのやさしいタッチの絵は、さらに物語の感動を深めます。
『しあわせな王子』を読んだ方は、オスカー・ワイルドのことをぜひ知ってもらいたいと思うのです。
そうすると、なぜこの童話の内容がこんなふうにざんこくでかなしくてやさしいのか納得ができるのではないでしょうか。
この童話は読んだ雰囲気より奥が深くて、むしろ子ども向けというよりも、大人向けかもしれません。
童話とは”童”向けのものではありません。
言い伝えやむかしからの教訓を元にしているものが多く、少なくとも子ども向けとはいいがたいのです。
グリム童話などはまさにその典型となるでしょう。
さて、オスカー・ワイルドは"童"に向けて書いたのか?
違うらしいのです。
これは、見目麗しい青年に読み聞かせるために書かれたお話なのです。
『ドリアングレイの肖像』の作家の作品だとすれば納得できる内容ですね。
”しあわせ”とはなんなのか、を問うこともできます。
読んであなたの”しあわせ”をさがしてみてください。