2016年5月の絵本
「どうやってねるのかな」 作・絵:やぶうち まさゆき
「ぼく、だんごむし」 作:徳田 之久・絵:たかはし きよし
「ダンゴムシ みつけたよ」 作・写真:皆越 ようせい
”やあであえたね”「ダンゴムシ」 作・写真:今森 光彦
絵本の紹介
やあであえたね「ダンゴムシ」
アリス館の本づくりはいつも思いがけない発見や感動があります。
この写真本では、”やあであえたね”という言葉に魅かれる本です。
”やあであえたね”のこの字のフォントはもう少し大きくてもよかったんじゃないかなあ?!と思ったりするのですが、編集者にどうしてこの字体とフォントにしたのかを聞いてみたい気持ちにかられます。
この字のさりげない大きさが、本を選ぶ時に与えるインパクトをどのように計算なされたのかと考えてしまいました。
表紙にデンと鎮座いたしまする”ダンゴムシ”様は、なんと丸くてピカピカできれいなのでしょうか!!
「これ?ってダンゴムシなの?!」と思わせるような写真です。
CGなのと思ってしまうような真ん丸のこの写真は実に可愛く、面白く、どうしたらこんないいショットがとれたのだろう?と想像してしまいました。
5000枚くらい写真をとってその中より選んだんだろうか?!と密かに考えています。
表紙だけで長々とおしゃべりしたくなる本です。
さて、本の中はどうでしょうか。
わくわくしながらページをめくると、いきなりダンゴムシの写真で”どん”と出しておらず、解説のようなものから始まります。
これもまた、どういう編集効果というか編集の打ち合わせをなさったのだろうかと、考えさせられました。
この解説のページには、ダンゴムシさんは庭のお掃除屋さん、と書いてあります。
ページをめくって本をみていくと、ちょうど真ん中くらいに見開き2ページにわたり、ダンゴムシが脱皮している写真が出てきました。
生まれてから何十年になるという私ですが、ダンゴムシの脱皮の瞬間に出会える(見る)ことはありませんでしたので、衝撃なページと写真でした。
思わず「よっこいしょっと」とダンゴムシの声が聞こえてきそうな1枚です。
ナイスショット!!な1枚です。
そして、またまたページをめくっていくと、今度も「よっこらしょ」といいながら、まんまるに丸くなる瞬間を追った写真があります。
ピロピロ足がたたまれて真ん丸のまあるい円形になっていきます。
不思議な瞬間をみることができます。
かたそうに見えてなんと柔軟なバレリーナ―のように柔らかく体を使って、変身していくダンゴムシさん。
極めつけの1枚は、真っ白なダンゴムシの赤ちゃんの写真です。
じっと本の中から「わたし生まれたよ」と、こちらをみています。ゴマつぶのような黒い瞳が、なんと愛らしいことでしょう。
あらためて、今森光彦さんの写真力を感じさせる本でした。
この本を読み聞かせ(見聞かせかな?)、ぜひなさってみてください。
あなたもダンゴムシの小さい命に感動することでしょう。