2019年10月の絵本
「おやすみなさい」 作・絵:あらいようこう
「こぶたのブルトンあきはうんどうかい」 作:中川ひろたか・絵:市居みか
「だんまりこおろぎ」 作・絵:エリックカール・訳:工藤直子
「もりいちばんのおともだち」 作・絵:ふくざわゆみこ
絵本の紹介
「だんまり こおろぎ」
有名な絵本作家のエリック・カールさん作品です。
『はらぺこあおむし』があまりにも有名になってしまったので、エリック・カールというと『はらぺこあおむし』とまで言われるようになってしまっていますが、
この『だんまり こおろぎ』は、育児をしているお母さん達の応援絵本であったり、小さい子ども達を見守る大人へのメッセージだったりする絵本です。
園でもこんなことがありました。
発表会を控え、劇の練習を毎日がんばっている年長児そら組さん。
その中で、年少児いちご組さんで入園してきたお子さんが、
言葉をほとんど話さないとお母さんが心配して、
「先生、うちの子大丈夫でしょうか。全然しゃべらないんです。」と言ってきたことを、昨日のように思い出します。
たしかにお家でも園でも、よくお話する、進んでお話する、という姿がありませんでした。
ようやくごあいさつが少し小さな声でできたかなという所でした。
それは、年中児ひまわり組さんになってもあんまり変わりない状況でした。
ところが、今年のそら組さんの劇では、その子が主役に立候補!
セリフもしっかり自分の中に入れて、クラスで一番大きな声でセリフを言うことができ、しかも、それがごく自然にやれているのです。
頑張って一生懸命必死で・・・というのではなく、ごく自然によく通る声が生まれてくるのです。
楽しそうに主役になりきっている、そんな姿をみて、感動を通り越し子どもの力、成長の力というものを、しみじみと思い起こさせる体験となりました。
何十年という園の行事を振り返っても、その子が一番だ!!と思えるくらいに、主役になりきりセリフが時にはアドリブで自然に出てくるのです。
これこそ、人間の子版、だんまりこおろぎをみているようでした。
子どもの成長を急がせるのではなく、”見守る”ということを伝えてくれる絵本であり、
体験でした。!