2019年4月の絵本
「おかしなおかし」 作:石津ちひろ・絵:山村浩二
「いちばんしあわせなおくりもの」 作・絵:宮野聡子
「ねるじかん」 作・絵:すずきのりたけ
「それしかないわけないでしょう」 作・絵:ヨシタケシンスケ
絵本の紹介
「それしかないわけないでしょう」
シリアスに始まる。女の子登場、「うーん・・・雨だ。お父さんは今日は晴れるっていってたけど、大人のいうことはけっこう はずれるな。」お兄ちゃんがそこに帰ってくる「ただいまー。ねえねえしってる?未来は大変なんだぜ。」という。絵本は楽しいおもしろい、おかしいという通常の絵本のはじまりのスタートからは想像できないきびしい発想で始まります。そこからは、女の子とお兄ちゃんとの会話でなく、今度は女の子とおばあちゃんとの会話になります。「みらいはたいへんなの・・・」とおばあちゃんに語るのですが、百戦錬磨、世の中を渡りおばあちゃんになった人のさすがの答えがかえってきます。
「どっちもなんかちがうなーと思ったら、自分でみつけたらいい」と、おばあちゃんは言います。
おばあちゃんはさすがです。あわてずさわがす、自分の生きてきた人生の奥深い知恵から生まれた言葉を女の子にかえします。未来は「たいへん!!」なことだけじゃない、を女の子も気がつくと、すぐに新しいことをいっぱい考え始めます。
ページをめくるたびに、いろんなおもしろい言葉と事が見つかります。ヨシタケワールドは、ここでも全開です。
しかし、「それしかないわけないでしょう」は、考えてみたら人生の中で大人にも必要な言葉です。「それしかない」にがんじがらめになっていて、前に進めない人、苦しくなり生きづらくなる人、思春期の子ども達も社会人の大人も、お母さんも、そもそも「それだけ」にこだわったり、とらわれたりすることで、ネガティブな人生を送っている、としたらそれは本当に大損です。生きるとは「それだけ」でなく「世界は広い」ことがわかると、自分も楽になり生きる力も希望生まれ、力がわいてくるでしょう。
発想をかえるだけで、人生が明るくなる、違う道を進むことができる。この絵本を読むと、悩んでいる大人も勇気をもらうことができます。ぜひ読んで見てください。
最後の卵の「オチ」になるほどそうだよね。と思わせるのもヨシタケワールドでした。黄色のところも読ませ(見せ)られたけども・・・