2018年4月の絵本
「くつくつあるけ」 作・絵:林 明子
「おはなみくまちゃん」 作:シャーリー・パレット 絵:デヴィット・ウォーカー
「おべんとうしろくま」 作・絵:柴田ケイコ
「ぼくのニセモノをつくるには」 作・絵:ヨシタケ シンスケ
絵本の紹介
「ぼくのニセモノをつくるには」
「わたしってなんだろう、どんな人なんだろう」と、自分自身の事を考える事が誰にもあると思いますが、この本の”ぼく”は、「ぼくのニセモノをつくる」ということを考えて、”ぼく”自身のことを考えていきます。
ぼくのニセモノ?!をつくるってどんなことだろう、とページをめくっていくと、そこにはぼくの紹介がいっぱい次から次へと出てきます。
「ぼくってだれだろう、なんだろう、なにを考えているんだろう、なにをしているんだろう、なにがすきなんだろう、きらいなんだろう、どんなことをしているんだろう」と、いっぱいなぼくが出てきます。
読んでいくとみていくと、ぼくが少しずつわかってきます。
みんなからみた”ぼく”のページには、いろんなぼくが出てきます。
こうして読み進んでいくと、「ぼくって○●」と一言ではいいあらわせないことであふれてきます。
考えていくうちに、自分のことがわかり、整理できてきます。
よくできました。これで解決しましたという、よくあるふうなストーリー展開、教育的な本に仕上らず、ただただ「”ぼく”ってなに?!」を楽しむヨシタケワールドになっています。
だからこそ本を読んで見て、楽しみきることができます。
とかく絵本も教育的訓示的教訓的になりがちで、ストーリーの中にそういう教訓的なことを求め、「そして○○になりました」というよくありがちな結末に安心し、それが良い本という固定観念を持った方もいますが、ヨシタケさんの絵本はそういう教育論の押し付けがない所が、絵本の中で楽しみきることができます。
最後のページ、終わり方について私の推測では、ロボットが「こんないっぱいのぼくはとってもわかんないよ~~」となって、ぼくが「やっぱりぼくはぼくにしかできない、ロボットにかわってもらうことなんてできないんだ」って終わるのかと思っていましたが・・・まあ、そんな終り方は、教育的な定番な終わり方でおもしろくはないかもしれませんね。
最後の終わり方が、ヨシタケぎゃくの”おっと!!”なおちとなっています。
自分ってどんなんだろう、なんなんだろう、と、みなさんも”ぼく”のように一緒に考えてみませんか、この機会に。