2017年7月の絵本
「まる さんかく ぞう」 作:及川 賢治・絵:竹内繭子
「がったい ガッチャーン」 作・絵:新井 洋行
「ライオンのよいいちにち」 作・絵:あべ 弘士
「ともだちくるかな」 作:内田 麟太郎・絵:降矢 なな
絵本の紹介
「ライオンのよいいちにち」
この絵本の作者 あべ弘士さんは、超有名になった旭山動物園の飼育係を長い間していました。旭山動物園は、北海道の旭川という東京から遠くの北の果てにある、小さな小さな動物園なのですが、あべさん達動物園の職員の皆さんが「動物命」とがんばって作り上げた、動物の気持ちを考え動物にとってどう過ごすのが一番適しているのかを検討し試行錯誤し、動物にとって住みやすい園づくりに努力をなさってきました。その甲斐あって"行動展示"の動物園として一躍有名になりました。日本のみならず、その動物園づくりは世界中から評価されるものとなっています。
そんな「動物命」のあべさん。動物のことを書いたら描いたら、誰にもまけないくらい動物が生き生きと楽しく、おもしろく、力強く、温かく、「えっ こんな見方があったんだ」と驚きの連続の絵本づくりをなさっています。
さて、『ライオンのよいいいちにち』では、父さんライオンが子育てをします。父さんライオンは子育てなんてしないはずというあなた。野生のライオンのことをよく知っていますね。野生のとうさんライオンは子育てはお母さんにまかせっきりですが、しかし旭山動物園では、父さんも母さんも子ども達も一緒に飼育をするのだそうです。そうすると、北海道のさむーい冬がくると、子ども達は父さんライオンのたてがみに潜って寒さをしのぎあったまるそうです。まさに父さんが育児ならぬ育ライオンをします。そんな父さんライオンは、まるであべさんそのもの。あべライオンです。父さんライオンが子どもライオンとアフリカの草原を散歩し遊ぶお話ですが、その中でこの父さんライオンは”俳句”もひねります。あべライオンの俳句です。育ライオンパパであり、俳句を読む俳人ならぬ俳ライオンです。
そして、この絵本の中には、アフリカの草原が力いっぱい表現されています。アフリカの匂いがしてくる絵本にもなっています。
旭山動物園は、今年の7月で50周年をむかえるそうです。
私もいってみたいと思っています。今からわくわくしながらその日がくるのを楽しみにしています。
いろんなイベントが盛りだくさんのようですよ。動物園の中には、あべ 弘士さんが描いた絵の自動販売機などなど、あべ 弘士ワールドもいっぱい。また、札幌旭川間に走る旭山動物園号という電車には、動物と楽しめる車両となっていますよ。ぜひ皆さん旭山動物園号にのって旭山動物園にいきましょう!