2019年6月の絵本



「おはよう」 作:なかがわりえこ・絵:やまわきゆりこ


「にんじんだいこんごぼう」 再話・絵:植垣歩子


「かめくんのさんぽ」 作・絵:なかのひろたか


「雨、あめ」 作・絵: ピーター・スピアー


 絵本の紹介

「雨、あめ」

   雨の中に2人と一匹、傘をさした女の子と男の子と犬が表紙に描かれている。雨の題字も雨の雰囲気を出し黒のふちどりに白抜きで書かれている。

   表紙をめくると、見返しの見開きはお庭で遊んでいるさっきの子ども達。 画面左上から黒雲がみえている。次のページには、右手をかざして「あらっ 雨。」と、女の子が言っている情景になり、扉のページ(たぶん扉)へと続いていく。 雨がふってきて風もふき、子ども達と犬があわてて家に逃げ込んでいくところから物語が始まる。

   絵は水彩画だと思うが、水彩らしくとてもやさしくじんわり伝わってくる温かさに、画面が彩られている。 家に入ってきた子ども達は、クローゼットを開き、なにやら着込んでいる。 カッパと長靴を身につけ傘をさした子ども達は、雨の降っている外にいそいそとでかけていく。 次ページでは、画面全体薄青に塗られた雨の中を、傘をさして歩いていく子ども達のシルエットのみが描かれており、それが”雨”のお散歩、を印象付けている。 いよいよお家からでるシーンでは、ページ左右1枚を使って、雨がいっぱいになった道をずんずんと進んでいく楽しさを見せている。 子どもって、水たまりの中にわざわざ入って”びしゃびしゃ、ずんずん”やるのが好きですよね。 雨の中の公園(公園だと思うが・・・)で遊んだり御池のアヒルの様子を見たりしているうちに、だんだん雨が強くなり、どしゃぶりの中をお家にかけこんでいく2人。 ”ざんざん”降ってくる雨の音と子ども達の雨の中をいそぐ靴の”ばしゃばしゃ”という音が聞こえてくるような気がする。 着替えて遊んでおやつ食べて夕ご飯食べて、「雨、まだふってるね」というように二人で外を見て、眠りに入る。 朝起き、すぐ窓にむかう二人。窓の外の様子がちらっと見える。 晴れわたった空に満足そうな二人が描かれており、見開きも含めて全部物語になっている。

   ”絵”だけの絵本なので、子ども達の動きを見ながら画面に浮かんでくる言葉を、自分で見ながら言葉に出して読んでいくと、自分だけの絵本という使い方にもなるだろう。 より楽しく雨の雰囲気を味わえ、自分絵本をつくれるかもしれない。

(作・絵: ピーター・スピアー 出版社:評論社)






光の森こども園

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