2022年2月の絵本
「たっちたっち」 作:あべせつこ・絵: 山本和子
「はりねずみのおいしゃさんとおばけのこ」 作・絵:ふくざわゆみこ
「じゃない!」 作・絵:チョーヒカル
「ベットのなかはきょりゅうのくに」 作・絵:松岡達英
絵本の紹介
「じゃない!」
写真かと思わせる表紙。限りなく写真に近い絵。
『じゃない!』と、題字があり、もししたら写真じゃないと思うが、写真かもしれない、と思ったりしながら、表紙をじっと見てしまう。
ページをめくるたびに面白さがどんどんとわきあがってくる。
”きゅうり”じゃなくて、”バナナ”。
きゅうりの中に、バナナを入れ込んだような、写真のバナナをいれたような絵。
どっちだろう、写真かな、絵かな、と考えながら悩みながら見てしまう。
ページをめくるたびにどっきり感と不思議感を味わうことができます。
作者のチョウーヒカルさんが、絵本の最後にこんなふうに書いています。
知らないも、シンプルに見えるものを決めつけてしまうのは簡単です。
けれど、世界は私たちの知っている何倍も広くて、何十億もの人が済んでいる。
その皆にそれぞれ心があって、考えがあって、大切なものがあって、喜びや悲しみがある。
”きゅうり”は”きゅうり”じゃないかもしれない。
もしかしたら、ずっとそう思っていた何かも「じゃない!」かもしれない。
そんな想像力の楽しさと大切さが、この本から少しでも伝わったらうれしいです。
”きゅうり”を見ても「きゅうりだ」と思わず、どんなものも疑いを持ってみることが必要であり、そこから出発していろんなものが発明されたり、研究して解明されたりする、「じゃない!」はそんな大事な出発点かもしれませんね。